2012年11月20日火曜日

淺井裕介さんのワークショップ「ピクニックツリー」

秋晴れの気持ちのいい日、淺井裕介さんのワークショップ
「ピクニックツリー」が開催されました。


のんびり過ごすのかと思ったら・・違いました!丘の上に布で絵を描くのです。



丘は起伏があり広いので、簡単に思い通りにいきません。皆で力を合わせて布を運んだり、切ったり、地面に打ち付けたりとなかなか体力を使いました。
それでも大きな白い布のロールを木の形になるように丘の斜面に広げてだんだん木が育ってきました。
淺井さんは、中央階段に上り、全体を見渡しては形を整え、また戻っては作業を続けます。



木の幹と枝を形どると、いよいよ葉っぱです。
各々「ここに葉っぱがあったらいいな」と思うところに立ちます。そして葉っぱの描き方を淺井さんに、実際に描きながら教えてもらい、自分の思う葉っぱを作っていきます。





葉っぱができたら、先程自分が立ったところに付けていきます。枝から茎を伸ばして葉っぱと繋がったらいよいよ最後の根っこです。
根っこは半円になるように作り、完成です!

完成後、自分の葉っぱで思いっきり両手を伸ばして寝転がり、遠くから写真撮影。
太陽に照らされて、自分が皆と大きな木で繋がっていて、その中で思いっきり手を広げている事が、何とも清々しく芽が吹き出したような気持ちよさでした。


写真撮影のあとは、葉っぱの上でおかしを食べながら楽しくピクニックです。皆さん凄くいい顔しています。


はじめは、ただひたすら木を描くことに必死で、アートに触れている実感も持てないまま、作品を完成させました。後になり考えてみると淺井さんのエネルギーの凄さが分かります。

淺井さんありがとうございました!

2012年11月11日日曜日

井口雄介さん「CUBeSCAPE」




六甲高山植物園と六甲オルゴールミュージアムを結ぶ全長約200mの木製の橋(通称 木道橋)に大小さまざまな木枠があります。
この作品が六甲ミーツ・アート 芸術散歩2012 公募大賞 奨励賞に選ばれた井口雄介さんの「CUBeSCAPE」です。ダイナミックなイメージが印象的なのですが、実は緻密に設計され、自生植物に配慮して展示された作品です。

木道橋エリアは植物が多く生息しているため、事前下見では高山植物園の園長立会のもと現地説明を受けて、この場所に設置することが決まりました。

当初の作品プランは、小さな木枠がどんどん大きくなっていくイメージで考えられていましたが、現状の植栽状況や点在する石などの立地条件を考慮して、現地調査や位置関係の採寸取りを繰り返し行った結果、自然と”共生”する作品プランとなりました。



作品を設置する際は、希少植物を傷めないよう慎重な作業がつづきました。
植物を作品に取り込み、迂回しながら木枠を面でなく点で建つようにバランスを取ったり、木枠同志がお互いに支え合うように設置したり、時には石の上で木枠が休憩している様に見えるものがいくつもあり、少し可笑しみを感じました。
定められた期日までに作品を設置し終えなければならないため、特に屋外での設置作業は、悪天候の中であっても手を休める事はできません。井口さんは、制作期間中に体調を崩してしまいましたが、そんな中でも無理を押して作業を続ける姿は、とても印象的でした。
その努力のかいあってか、みごと期日までに完成させることができました。




一見、ダイナミックでありながら、実は緻密に設計された作品でもある「CUBeSCAPE」。
アート作品を鑑賞する際、なぜこの場所に設置したのか?自然と”共生”する作品にしたのか?”共生”であると共に自由、自在にも見えるのか?そんな視点で見ると、作品の見方が変わり、より深みを感じられるのではないでしょうか?