2011年10月31日月曜日

【制作秘話】 山本麻世 「ぬえのしっぽ」


「ぬえ」は伝説上の生物で、

サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、ヘビの尾を持つ
妖怪や物の怪の類。

そのヘビの尾が今回の作品である「ぬえのしっぽ」。


このような注釈と作品プランが届いた。

六甲枝垂れに赤いテープを付けようとする発想に驚かされた。
山本氏はどんな作家なのか?非常に興味津々であった。
会ってみると、穏やかな物腰の女性であり、妖怪や物の怪を想像させる雰囲気はなかった。


設営初日、ぬえのしっぽは完敗した。
ドーム型の形状であり、高さ・直径は10M以上もある六甲枝垂れを飲み込むには明らかにスケールが小さく、風で巻きついたような感じであった。

週末、山本氏の姿はなかった。

山本氏は、数日間試行錯誤を繰り返し作品イメージに置き換えた。



そして・・・
明らかにスケールアップしたぬえのしっぽが六甲に現れる。

再度六甲枝垂れに挑んだ、ぬえのしっぽ。
以前よりも大きく高く高く壮大に。
目には見えないが六甲枝垂れから飛び出したトラの手足、タヌキの胴体 、サルの顔がそこにはある。

日が暮れると、ぬえのしっぽは不気味になり、赤々と燃える。

山本氏曰く、六甲枝垂れ・ぬえのしっぽは、間違いなく代表作になる。
そして新たに六甲ぬえ伝説が始まる。


六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局 山田昌宏

2011年10月30日日曜日

【制作秘話】 クワクボリョウタ 「LOST #3 (組織観察)」

クワクボ氏の求める環境を熟成するには一苦労であった。
その中には妥協はない。
一寸の光さえ侵入することを拒み、そして表現するキャンパスの素材、色彩にこだわった。

作品制作が始まる。暗がりで虎視眈々と。

物体の形をどう表現するのか。
作品設置場所には無数の品物が無造作に置かれて行く。
白昼の暗闇の中、小さなLED光が動き作品が少しずつ線路脇に並びだす。

作品設置は4日間に亘る。

距離感、形状、そしてストーリが鉄道模型の線路に敷き詰められた時、作品は完成された。

この殺風景な部屋が・・・

作品設置によりこのように・・・



作品を見終え、何が映し出されたのかを問うのではなく、この表現方法に感嘆と称賛に尽きる。
そんな作品です。


作品展示場所の映像館と併設されているショップアルピコラにて、クワクボさん作品「ニコダマ」発売中です。
スイッチを入れると目玉が左右同時にバチバチ動き出します。
好評につき、追加発注中です。



六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局 山田昌宏

2011年10月29日土曜日

「六甲ミーツ・アート大賞」決定しました!

全展示作品を対象に、ご来場の皆様の投票により選出する「六甲ミーツ・アート大賞」が決定しました!




準グランプリ
角野晃司「ふたりの家




クワクボさんの作品「LOST#3(組織観察)」は、得票率約50%以上の支持を受けグランプリに選ばるとともに、得票数順で準グランプリに角野さん、奨励賞に田上さんの作品が選ばれました。

11月5日(土)10:05~10:15は、六甲高山植物園で受賞アーティストの表彰式を行います。


六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局

2011年10月25日火曜日

クワクボリョウタ 作品&ワークショップのご案内

六甲高山植物園内 ショップアルピコラ映像館内にある展示作品、クワクボリョウタさんの「LOST#3(組織観察)」

この作品は、私たちでも手に入る日常用品が、鉄道模型に取り付けたLEDを当てることによってまた違ったものに変身し、不思議な空間と時間を体感できる影絵の作品です。


とても幻想的で、ご覧になったお客様には「すごく良かった、感動した」と言って帰っていただいております。
中には家に欲しい!というお客様も。


そんなお客様にとっておきのニュースがあります!
11月5日(土)、6日(日)にクワクボリョウタさんのワークショップを開催します。

六甲高山植物園内で拾った自然のものに様々な角度からLEDをあてて、影で時間と空間を作り出すワークショップです。

クワクボリョウタ ワークショップ 『影で時間と空間を作ろう』
【場所】 六甲高山植物園
【時間】 13:00~14:00 ※雨天決行
【料金】 200円
【対象年齢】 4歳~
【定員】 各回10名
※ワークショップ開催時間中はクワクボさんの作品を鑑賞できません。
 あらかじめご了承ください。


自分達で作った影絵はきっと忘れられないはず!
皆さんもクワクボリョウタさんと一緒に自分だけの影絵を作ってみましょう!

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局

2011年10月24日月曜日

10月15日(土)開催
リコーフォトワークショップツアー2011(番外編)

この写真教室は、全国各地で行っているリコーフォトワークショップの番外編として、六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011で開催しました。

1日をフルに使い、作品撮影を通してカメラの使い方や、おもしろさを体感できるイベントです。

前日のロケハンでは、大雨、霧、風、寒さと最悪のコンディションに開催できるかとても不安でしたが、当日はなんとか曇り空で落ち着いて、写真を撮るにはよい天候となりました。(スタッフ一同、胸をなで下ろしておりました。)

イベントには、リコーのカメラ愛好家の方から、カメラの使い方からわからない方まで、世代も様々に15名の方にご参加いただきました。
前日の悪天候にもかかわらず、皆さん本当にありがとうございました。

講師は、写真家としてご活躍中の白井綾先生。
雑誌や書籍、広告の分野で活動され、近年では日本の教会の撮影を続けていらっしゃいます。
美術手帖7月号の表紙は白井先生のお写真です。(参加者のなかには先生のファンの方も)


まず始めはレクチャーを行います。
この写真教室では、リコーのカメラGXRを使用します。
普通のデジタルカメラと違い、まるで一眼のカメラのような装備に、皆さん初めは戸惑いがちでしたが、操作、機能の使い方など丁寧なレクチャーに熱心に耳をかたむけます。




いよいよ、外へくりだし作品撮影開始です。
まずは、ガーデンテラスへ。
屋外での作品撮影はこの施設だけ。
作品と写真の取り方の説明を行い、お昼ごはんもそこそこに皆さん展示場所に足早に移動します。

はじめは曇り空を保っていましたが、とたんに霧に包まれたり、小雨が降ってきたり、かと思いきやまた霧が晴れたり。。
山の天気はかわりやすい。。

そんな天気のなかでも、黙々と撮影される人、先生に確認しながら撮影される人。お友達と来られた方はお互いを被写体入れてみたり、皆さんとても楽しそうです。



次は六甲山ホテルへ。

予定では植物園でしたが、天候が不安定なため急遽、屋内空間の撮影となりました。

ここには日曜礼拝が行われるような素敵なチャペルがあり、普段から教会を撮影されている白井先生の説明にも熱が入ります。
チャペル内の厳格な雰囲気に皆さん無言。


その後、濱口直巳さんの作品のある旧館、新館へ移動。
作品を中心に大きなシカの剥製やライブラリーを撮影。
この頃には、カメラの色々な機能を使って(レクチャーでも説明のなかったような)皆さん撮る姿勢もカメラマンになっていました。


最後は、オルゴールミュージアム前の木道へ移動。
ちょうどこの日は、期間限定で蓑虫が吊られていたので、皆さんで記念撮影。
角野さんも大人数のカメラを前に少し恥ずかしそう。


これにて撮影は終了です。
いよいよ出力をして、講評です。
出力できる写真はひとり1枚。選ぶ眼は真剣そのもの。
とっておきの一枚を発表します。
全員の作品を机の上に並べて、講評の開始です。
若干緊張の面持ちのなか、自分の作品について説明し、先生が丁寧に一枚一枚講評していきます。

朝説明を受けただけとは思えない力作ぞろいで、初めてお互いの写真をみることであーすればよかったとか、こうしてみようと今後の写真撮影にも意欲がわいたようでした。これがカメラの魅力なんですね。
 

一日があっという間でしたが、皆さんの笑顔が印象的な写真教室でした。
おつかれさまでした。


リコーフォトコンテスト in 六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011
ただいま本イベントweb内で「リコーフォトコンテスト」開催中です。
今回の展示作品が入っていればオッケーです。
優秀作品にはもれなくリコーのカメラや六甲山ホテルの宿泊券が!!
皆さんの素敵な六甲山の思い出を是非ご応募ください。

リコーフォトワークショップ
国内色々なところで開催されています。

講師白井先生のブログ
今回のWSも掲載しています。前日の霧のなかの蓑虫も必見です!
白井先生のウェブサイトはこちら

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局

2011年10月20日木曜日

しりあがり寿 妄想写生大会

10月8日(土)、漫画家 しりあがり寿さんのワークショップ「妄想写生大会」が開催されました。

「妄想写生大会」とは、しりあがり寿さんからの出されるテーマに合わせ、六甲山の風景の中に各自勝手な妄想を描き加えるというもの。

しりあがり寿さんからのテーマは
六甲山で、あなたに何かを伝えようとしている
ナニモノカに出会いました。
その光景をできるだけ克明に描いてください。


さて、どんな絵が誕生するのでしょうか!?


参加者の皆さんは、六甲山カンツリーハウスの園内の様々なところで写生をしています。
芝生の上や、池の周り、ローズウオーク内などで思い思いに絵を描いています。

しりあがり寿さんも、園内を回り、参加者の皆さんに声をかけてくださいます。


絵が仕上がりました!
個性豊かな妄想絵画が並びます。

参加者の皆さんに、どういう妄想を絵にしたのか説明していただき、
その絵を一つ一つ、しりあがり寿さんがご自身の妄想を加えながら講評をしてくださいました。
その場は、笑いや関心の声に包まれました!
そして最後に、しりあがり寿さんは「絵を描いてほしい」と語ってくださいました。

六甲山の風景に妄想を加えた写生をするという、今までにない写生大会を通して、絵を描くことの楽しさや喜びを、改めて知れたと思います。

私もなにか絵を描いてみたくなりました。


それでは、今回参加していただいた皆さんの絵をご紹介します!






六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011 事務局